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一言半句
-Diary-

平成二十一年 皐月
-May, 2009 -


五月一日

今期の花粉症終息

先週あたりから花粉症の症状がほぼなくなった。たまに思い出したようにくしゃみや鼻水がでることはあるものの、ティッシュの一、二枚もあれば済む程度で花粉症独特のそれではない。花粉症の時期は過ぎたと判断して良さそうだ。二月のスタートダッシュが早かった分終わるのも早いのだろう。花粉対策のうち、洗眼剤と甜茶カプセルは開封分を使い切って終了とする。

しかし折しも新型インフルエンザが世界的に猛威を振るわんとしており、WHO の警戒水準も 5 へ引き上げられていることから、鼻うがいと喉うがい、洗顔、手洗いはひきつづき行なっていく。今のところ国内での感染拡大はないようだが、用心に越したことはない。

このぶんだと今度の夏コミ、冬コミ開催は危ういのでは。


五月七日

糖尿病検診付き添い

午後、二ヶ月ぶりのおふくろの糖尿病検診に付き添い。

検査結果は GHbA1c 5.4。数値はまずまずだが経過を見るとにわかに上昇している。要注意。一緒に調べてもらった LDL-C, HDL-C はいずれも基準値内。中性脂肪が若干高めの 158 ではあるが目くじらを立てるほどではない。

最近の様子を訊かれたので、外出などで体を動かすと軽度の低血糖症が起こる旨を伝える。曰く、腎不全患者はインスリンの効きが強くなる傾向にあるそうで、次回でもう少し緩やかな効きのインスリンを検討してみましょうとの方針でまとまった。なお、今回もわりと機嫌は良かった模様。

一階で会計と針、検査チップ、消毒用エタノール含浸綿を受け取り、帰宅。

次回は来月の十一日。


五月十二日

CAPD 検診付き添い

朝、おふくろの CAPD 検診に付き添いで病院へ。血液検査、胸部 X 線撮影、カテーテル挿入部チェックのあと診察待ち。

実はちょうど一週間前に一日で体重が 1kg 増加しており、手足のむくみも酷かったことから、三月始めの検診のように追加検査が入るものと思っていた。しかしなにもなく予約時刻から三十分遅れで診察室へ。

血液検査の結果を見るとクレアチニンが +0.30 の 8.85mg/dl と除質効率低下の傾向を示し、一方アルブミンは -1.1 の 1.4g/dl でむくみの影響が覿面に現われている。腎機能の低下でたんぱく尿として漏れ出てしまっているのだろう。そのほか C 反応性たんぱく CRP が5.7mg/dl と高い値。先週庭でつまづいて膝をしたたかに打ったそうなのでその炎症が原因と思われる(つまづいた日の翌日から体重が増加したので「これが原因だ」とおふくろは主張するが機序的に考えづらい)。

胸部 X 線写真で心胸郭比を測ると多めに見積もって 54.5% 。前回とまるで変わっていない。肺に水が溜まっている様子もなし。体重が 1kg も増えているのに影響が見られないことに先生も俺もびっくり。むくみの酷さと血圧の上昇が見られないことから、増加した水分のほとんどが血液でなくリンパ液などの組織間へまわっているということか。ついてるんだかついてないんだか。

その水分増加の第一要因として塩分摂取過多が挙げられるのだが、退院後毎日記録している体重をプロットしてみたところ、一週間前のようなごく短期間で 1〜1.5kg の急激な増加が数回ある以外ではほぼ一定の値を保っていることが分かった。ということは、日常心がけている塩分節制はわりと良好ではないかと思われる。ただ、短期間での急激な増加の理由はさっぱり分からない。

ともあれこのままで良いはずはなく、どうにかして水分を減らす必要がある。まず除水量を増やすには濃度の高い透析液を使うか、除水を促す薬を服用するかになるが、透析液は置き場所の問題があるので薬の服用で対応する。本来は止血、抗炎症剤でありながら除水量を増やす効果があるトランサミンカプセル(トラネキサム酸)と副作用のフィブリン析出を抑えるエパデールを処方。それとあわせ、尿量を増やすため常用の利尿剤ラシックス錠とは別系のフルイトラン錠を追加。これで二週間後に経過が思わしくないようならば、入院して一度コンディションを整えることも考えた方が良いだろうとのこと。外来ではむずかしい処置もあるはずで、必要ならそれも有りだと思う。

ちなみに、水分量管理の目的から透析導入前の説明で触れた血液透析との併用療法はどうなのかと訊いたところ、たしかに併用療法は腹膜透析のみに比べ生命予後や各検査値も良好な結果が得られているので状況を見て導入も考えるが、なによりまずはコンディションを整えることが先決、との答え。順序があるということか。

余談になるが、前回診察後に予約しておふくろに受けさせた栄養指導はまるで役に立たなかった。透析患者のドライウェイトや退院後の体重変化をまったく考慮に入れず、T 先生が指定した塩分の指導もせず、標準体重を基準に話をされてしまった。どうやら栄養士は糖尿病患者として受け付けたらしい。困ったものである。

診察後、会計と内服薬の受け取りを済ませ、ほか弁を買って午後一時過ぎに帰宅。

次回は今月二十六日。


五月十八日

緊急入院

朝、病院へ電話して指示を仰ぎ、準備の後おふくろを連れて親父と病院へ向かう。先週後半から目に見えて体調が悪化していたのを本人が「大丈夫」というので様子を見ていたが、昨晩さすがに痺れを切らせた親父から「連れて行ってやってくれ」と頼まれ、首に縄を付ける勢いで強引に引っ張ってきた。病状と院内に詳しい俺が付き添いに残り、親父は自宅に戻って待機。

まずは連絡先の透析室に顔を出し、血液検査と胸部 X 線撮影を済ませてから一時間半前に入れた透析液を排液。真っ白。問い詰めると二週間ほど前からにごりがあったらしい。そのあと量った体重は 60.4kg 。記録ノートには前日まで 50.0kg とあったはず。自己申告を鵜呑みにするんじゃなかったと頭を抱えたい心境だが今はそれどころではない。今のところ明らかな発熱や痛みは見られないものの間違いなく腹膜炎を起こしているし、むくみもひどいなんてもんじゃない。どちらも命に関わる状況であるため即時に緊急入院が決まる。

とはいえ病棟に空きベッドは無く、臨時病室として救急室横の部屋を割り当てられた。親父には透析器具や薬の類一式を持ってきてもらうよう手配し、自分は医師や看護士の説明を聞くかたわら入院手続きなどの書類書き。昼食は持ってきたカロリーメイト半箱。

処置方針としては、ブドウ糖濃度の高い透析液を除水効果の高い三〜四時間で貯留排液を繰り返すことにより除水を促しつつ、透析液に抗生物質を混ぜて腹膜炎を鎮静、とのこと。入院は一週間ほど、と言っていたが素人目に見てそれでは済まなそうな雰囲気ではある。

夕方、さしあたりやれることは尽きてしまったので看護師に挨拶して親父と一緒に帰宅。


五月二十日

病状説明 @2009-05-20

担当医から病状説明がしたいとのことで、午後に親父と姉貴とともに病院へ。病室は腎内科のフロアではないものの通常の病棟へ移っていた。

透析液交換とカテーテル交換が重なったこともあり、病室前でしばらく待ったあと担当医から説明。腹膜炎は目下抗生物質の投入で対応中。しかし腹腔内のテンコフカテーテル上にバイオフィルムがすでに形成されている可能性が少なからずあり、その場合はカテーテルを抜去する必要がある。むくみのほうは除水が思わしくないため、透析液をこれまで使ってきた T 社から除水効果の高い B 社へ切り替え。これでも不足なら血液透析の併用も考える。明日、明後日中には判断。それと腹膜からの蛋白喪失が激しいらしく血中アルブミンが 1.1 まで下がったので点滴で補給。一方、透析液からのブトウ糖吸収が増えたせいでインスリン注射は 2 単位増加。これくらいはしかたないところ。

家のこともあるので夕方に帰宅。


五月二十六日

病状説明 @2009-05-26

担当医から呼ばれ、夕方に単身病院へ。直々のご指名とは診療部長の O 先生の差し金か。病室は腎内科のフロアへ移されていた。

病室でおふくろとともに病状説明を受ける。腹膜炎は一時より沈静化してきたものの、血中の C 反応性蛋白 CRP 2.0, 排液内白血球約 50 といまだくすぶり続けており、回復が思わしくない。テンコフカテーテルにバイオフィルムが形成されている可能性が高く、今回治療しても今後また同じように腹膜炎が起きやすいこともあり、CAPD の継続を断念して HD(Hemodialysis: 血液透析 ) へ移行したほうがよいとのこと。ついては明日午後にテンコフカテーテルの抜去を行ないたいという。体質面や自己管理力から鑑みて早めに HD へ移行した方がよいのでは、と少し前から考えていたので了承。

それと、抗生物質の効きの悪さから腹膜炎を起こしている原因がどうやら黄色ブドウ球菌などありきたりの菌ではないようで、ウィルス、結核菌に類する菌、カビ類などを疑って培養や DNA 検査を試みているものの、まだ特定できていないそうだ。物によってはたちが悪いし、腎不全と糖尿病のダブルパンチで免疫力が落ちているので、いつまた急変、悪化するとも限らない。

なお、むくみのほうは体重が 54.6kg まで落ちたこともあり、目に見えて少なくなってきた。高濃度透析液を一日六回交換で二十四時間貯留してきただけのことはある。ただしドライウェイトからははるかに多いので今後も HD で積極的に除水し続けることになる。

日がとっぷりと暮れたころ帰宅。


五月二十七日

病状説明 @2009-05-27

夕方、自分の PHS に担当医から電話。ついに直接連絡。今日行なったテンコフカテーテルの抜去が無事に終わった旨の報告と、今後のことについて話したいので来て欲しいとのこと。先生の予定を聞くといつ行っても忙しそうなことと、さっさと済ませたいこともあり、疲れているところ申し訳ないと思いつつ今日これから伺うことにした。

ナースステーションに顔を出してから病室に行くと、本人はちょうど夕食を終えたところ。鎮静剤やらなにやらで眠そうだったので、痛みや具合のおかしなところがないかだけ聞いて寝かせておく。

会議を終えた先生が病室に到着してもおふくろは半ば意識が朦朧としていたので今日は俺だけ話を聞く。とりあえずテンコフカテーテルの抜去は無事完了。まあ本人見ればわかるのだけど。そして HD 移行に伴いカニューレを挿入しやすいように内シャントの造設が必要な旨の説明。これも重々承知の上。血管の状態などから造設は左前腕に行ない、手術は来週水、木曜のいずれかを予定。シャントの安定には二〜三週間かかるものと思われる。

ひととおりの説明を聞いて同意書に署名したところで面会時間終了のお知らせ。あわてて病院を出て帰宅。

せわしない日々。

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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