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一言半句
-Diary-

平成二十年 葉月
-August, 2008 -


八月一日

腎内科検診付き添い

朝、おふくろの腎内科検診に付き添いで病院へ。検診予約時刻は 10:30〜11:00。診察室入室は十一時過ぎ。

今日の検査結果。クレアチニン 4.8、アルブミン 3.7。クレアチニンが着実に増えており、腎機能の低下を意味してる。カリウムが 5.5mmol/L から 6.1mmol/L へ上がり尿からの排泄が不十分であること、ヘモグロビン量が 9.3g/dl から 8.3g/dl へ下がり腎臓が分泌する造血ホルモンが減少したと思われることも傍証。先生曰く、正常な腎臓の 10〜15% 程度しか機能していない。なお、おふくろ本人によれば最近は夕食をあまり食べたくないそうだが、朝食はしっかり食べられるようなのでこれは尿毒症の症状というより昼間の暑さに夏バテ気味となっている可能性が高い。

それにしても何やっても止まらねえ。自棄気味に「特効薬とか画期的な治療法とかありませんかね?」とぼやいてみたら「あればとっくに使いたいですよ。この病院だけで年間八十人が新たに人工透析を始めますから」と先生に返されてしまう体たらく。医療現場に携わる人達の方がよほど切実だよな、と反省。

さしあたり、ネオーラルを 100mg から 50mg に減らす。これは前回のシクロスポリン血中濃度が 790ng/ml と上昇しており、これによる副作用と免疫力の過度な低下を防ぐため。それと腎機能低下に伴う血液の酸化状態(代謝性アシドーシス)を防ぐため炭酸水素ナトリウム、つまり重曹を処方。あとエスポー 12000 を皮下注射。今できることはこれくらい。

診察室を後にして、一階で会計を、近くの薬局で処方薬の購入を済ませ、ほか弁屋で昼食を買いつつ帰宅。

次回は来月の五日。


八月九日

宇宙研本部一般公開 再び

レオーノフ教授から誘われ、ISAS 相模原キャンパス一般公開を見に行く。

一昨年見に来ていることもあって今回は主に案内役。一方、レオーノフ教授は一眼レフ片手に終始楽しそうに見てまわっていた。俺も前回はこんな顔してたんだろう。学芸員が周到な展示を行なう博物館などと違い、この一般公開では、おそらくは学生が中心となって素朴な基礎研究や技術要素をありのままに展示している。楽しむにはそれなりの知識や好奇心と、それらが何をもたらすかを思い描ける想像力を求められるため、見る人を選ぶのが難しいところ。もっとも今回その点は心配要らなかったのだけど。

展示の方は機器の改修中とかでレールガンの実演が見られなかったのが残念ではあったものの、前回見られなかった物などもいくつかあって面白かった。「あかり」に搭載するクライオスタット(冷却真空容器)の PM が振動試験で変形損傷した箇所などよそでは見られまい。

たまに気になる点を近くに立っている解説役の人に訊くと、たいがいはとても詳しく答えてくれる。その熱心な語り口は同人誌即売会で売り子をしている作者さんのそれに通じるものがあり、やはり好きで物事に取り組んでいる人の話は楽しい。そう考えると、人それぞれではあるにしても、この一般公開の楽しさの半分は同人誌即売会のように「取り組んでいる人との交流」にあるのかも知れない。

次は「はやぶさ」帰還予定の再来年にでも……お祭り騒ぎでそれどころではなかったりして。


八月二十四日

canvas で描くのはむずかしいでござるの巻

SaasBoard に内蔵描画ツールで描いた絵のまとめページを作る。PositLog で描きためてきた中から、めぼしい物を拾い上げておいた。

自分でやっておいてなんだが、これが正しい使い方だとは口が裂けても言えん。このツールは図 (illusttation) の描き入れに適したものだ。絵 (painting) を描くのには到底向いていない。俺自身、これよりまともなものを描くのは難しい。

ただまあ、道具なんてものは設計者の想定を超えた使い方をしてなんぼ、とも思ってる。正しくはなかろうが間違ってもいないはずだ。さしあたり、誰とも知れぬ馬の骨でもこの程度は描けるツール、というサンプルページくらいにはなるだろう。

さりとて真似する人が現われるとも思えんが。

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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