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一言半句
-Diary-

平成十八年 文月 下旬
-2006 July, Late term-


七月二十三日

プラネタリウム鑑賞@市立図書館

プラネタリウムを観に市立図書館本館へ。日本で二番目に小さいプラネタリウム、らしい。

今月の上映内容は、今夜の星空と七夕物語。これに平行して三択式の天文クイズラリー。クイズラリーといっても問題はヌルいし何か景品が出るわけではないけれど、こうして観客を参加させることでともすれば解説一辺倒で飽きやすい上映を楽しくさせようとする企画は、特に子供達にとって大変よろしい。ベテラン解説員によるアドリブたっぷりの語り口とあわせて、小さいながらも自慢の地元プラネタリウムである。

その中でがっかりしたのは、部活帰りのデートと思しき地元高校生カップルによるクイズの解答。「太陽のエネルギー源はなんでしょう?」という問いに水素でなく酸素を選んだりと高校生にしては少々厳しい知識レベルで、技術立国日本の将来は大丈夫なのかといささか心配にさせられた。

このぶんだと世間では「月をなめるな」の一件月の哲学者の話もまんざら珍しいことでは無さそうだ。


七月二十八日

腎内科検診付き添い

午前、おふくろの腎内科検診に付き添いとして病院へ。予約時刻は 10:00〜10:30 と早め。採血で少々待たされたが、診察は十時過ぎとスムーズ。

検査の結果はまずまず。アルブミン 3.7、クレアチニン 2.7、尿タンパク量の概算 4.5g/g.CL とあまり変わっていない。とりあえず悪くはなっていない。

GPT, GOT が 50 弱でまた少し上がったが様子見。また毎日記録している血圧が 130 前後と高くなっている。前回カルデナリンとラシックスを減らしたからと思われる。が、暑いこの時期に低すぎるのもよくないということで許容範囲。今回の処方は変更無し。

診察を終え、一階で会計を済ませ、近くの薬局で薬を購入して昼前に帰宅。

次回は来月二十五日。


七月二十九日

宇宙研本部の一般公開を観に行く

年に一度開かれる宇宙科学研究本部 一般公開を観に相模原キャンパスまで出張る。デジカメを新規購入したのはこれに備えてのこと。

家を出たのは七時すぎ。丸二時間、電車に揺られ、淵野辺駅からの無料運行バスですし詰めになりながら、開場時刻である十時の十分前には正門前に到着。敷地内は緑が多くて環境は良さそう。

受付でパンフレットやうちわが入った紙袋をもらい、まず向かったのは生協の売店。よさげな ISAS グッズはないかと見てまわり、買ったのは以下の三点。税込 ¥2852 也。

肝心の展示は一号館から順に観ていく。去年のイトカワタッチダウンがあってか「はやぶさ」に関する展示やイベントがかなり大きく取られている。実物大の熱構造モデルが飾られていたし、ビデオ上映や各担当によるトークリレーも催されていた。

もちろんそれだけではなく、さまざまな科学衛星や探査用宇宙機、それらを検査する設備や実験装置、ロケット、さらに科学研究を支える基礎技術の数々についてもいろいろと趣向を凝らして展示、実演されていた。変わったところでは「超小型衛星用粉体スラスタ」なんて研究もあった。

博物館と違うのは、観て触れるものの多くが小ぎれいな展示用の品でなく、実際に研究に使っている、あるいは使われた生々しい品であること。小型衛星れいめいの実際の運用まで見せてしまうのだから恐れ入る。

どれも興味深かったのだが、中でも気に入っているのはレールガンの実演。主に宇宙機がデブリとの衝突することを想定しての実験設備で、最大 7.8km/sec. で弾丸(飛翔体)を撃ち出すことができるスグレモノ。観客の目の前で最大出力はさすがに危なすぎるから、今回は 2000V とかなり出力を絞っての実演だそうだが、それでもターゲットに飛翔体が衝突した瞬間の光と音は凄まじい。文字通り“目に焼き付く”光景で「うおっ! まぶしっ!!」と漏らさずにいられない。舐めてかかっていた他の観客がそろって驚愕するさまもまた楽しい。斜めから撮った 12MB の動画正面からアップで撮った 30MB の動画(スチルのつもりで縦に構えてしまった)をそれぞれ置いておく。どちらも PowerShot A700 による 60fps, QVGA の MotionJPEG。ちなみに実験後のターゲットはひどいことに。

展示を観ていて惜しいなと思うのは、どれも説明の仕方や使われる用語がいまいち専門寄りであること。予備知識のある人間にはそれでかまわないが、そうでない一般の人たちにはもう少し噛み砕いた方が理解しやすいと思われる。もっとも、これらの準備は比較的若い研究者の人たちによるのだろうし、本業である研究の合間を縫っての準備作業であろうことを考えればやむなしといったところ。むしろ若い人にとっての発表の練習と考えればいい機会なのかも知れない。

午後二時過ぎには全て見終ったので、午後二時半発の無料バスに乗って相模原キャンパスをあとにした。

歩き回って疲れたけれど、とても面白かった。

「ロケットまつりスペシャル」を観に行く

宇宙研本部一般公開を見終わったあと、新宿へ移動。新宿ロフトプラスワンで開かれるトークライブ「ロケットまつりスペシャル はやぶさは舞い降りた」を観るため。

午後三時半過ぎには新宿駅に到着したものの、開場は午後六時。さすがに早すぎるので場所だけ確認して、近くの喫茶店「ルノアール」で休憩兼軽食。アイスティーとポテトサンドで ¥800 也。ドトールなどと比べると割高だが、座席といい雰囲気といいくつろげる店なので満足。

そろそろ様子をと四時半頃行ってみると、すでに地下二階から地上まで延びる結構な行列が。たしか、はやしのさんも来られると聞いていたので並ばずに少し離れたところで待っていると、なんとそのはやしのさんが階段から上がってきた。自分より十分ほど早く着いて並んでいたそうな。はやしのさんが整理券を二枚貰ってきていたので一枚分けてもらい、開場までの時間潰しにロッテリアへ。宇宙研一般公開で貰ってきたオフセット刷りの『はやぶさ君の冒険日誌』を一冊渡したり、今日観てきたあれやこれやを話したり。

開場十五分前に再び行ってみるとまたも行列が。人のあいだを縫って整理券番号順に並び、入場。何回か来て勝手を知っているはやしのさんのナビで良い席を確保。おのおのビールとつまみを注文し、トークライブ開始まで雑談。

午後七時、トークライブ開始。今回のゲストは ISAS の橋本樹明教授、久保田孝助教授、矢野創助手というすばらしいラインナップ。聞き手は松浦晋也、笹本祐一、浅利義遠とその筋ではお馴染みの各氏。ただ、開始時は矢野氏と浅利氏はおらず。矢野氏は一般公開の後片づけが長引いたらしい。浅利氏は不明。

トークライブの内容は、先に観てきた一般公開とは別の意味で非常に興味深いというか、何というか。ぶっちゃけゲスト、特に久保田助教授が弾けまくり。学者にしとくのがもったいないほどイカすキャラ。ガレー船だのストロングスタイルだのおよそ惑星探査研究とはかけ離れた言葉は飛び交うわ、あごの落ちるような驚愕の事実が明かされるわ、公式の発表や講演では決して聞けないような話が目白押し。タッチダウンミッションで行なわれた中の人による絶妙なピタゴラスイッチぶりはよその研究機関じゃありえんだろう。でも五分に一回の Enter 押下くらいはバッチ組もうぜ、と思わんでもない。

そうこうするうち午後十時すぎ、トークライブ終了。会計を済まして混み合う会場から脱出。はやしのさんと割り勘で ¥2300 ずつ。新宿駅まで一緒に歩いて改札前で解散。おつかれさまでした。

次はいつ行けるかなあ。

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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