「お盆」というと全国的には新暦八月十五日が多数派であるが、我が家と祖母の家は都内に菩提寺があることから新暦七月十五日に行なう。というわけで朝から出かけてそれぞれの墓をお参りし、朝食とも昼食とも言えない時間帯にファミレスで食事を摂ってから、祖母の新盆を迎える叔父の家へ挨拶に伺う。
祖母の部屋であった仏間に通されて、まずは精霊棚で線香をあげる。最近の精霊馬はワラなのだな。茄子、キュウリのように傷むこともなくて楽だとは思うが。仏壇の方は五十年前に亡くなった祖父の時のものから新調されている。叔父によれば「一番安い奴」らしいがコンセントを繋げば電灯も点くそれなりのもの。古い方はお店に引き取られお焚き上げ。ちなみに棚経は昨日住職が来られて済ませたとのこと。
話はもっぱら迎え火、送り火、提灯、お供えなどの取り扱い。叔父夫妻にとってこういった行事は初めてのことなので、それなりにこなしている親父やおふくろにあれこれと訊いてくる。宗派や時代も違うので通用しないこともあるが、参考にはなるようだ。
昼前においとまして正午過ぎに帰宅。
実は俺もこの手の行事はよくわからん。わからんがなるようになるだろう。
先月起きた秋葉原通り魔事件の犠牲者を弔う献花台が、四十九日にあたる今月二十七日まで、ということを小耳に挟んでいたのでその前にと出かける。
ほかに寄る野暮用もあったことから自転車で向かったのだが、道中は暑く、現地は人が多く、そして駐輪場に空きはなく。暑さと人の多さはともかく、駐輪場のスペースはもう少し増やしてほしいものだ。
献花台には今も花束や飲み物といった供物が多く、暑いとはいえこのうえ俺が飲み物を供えては仏様も水っ腹になるだろうと手を合わせるだけにしておいた。このところ秋葉原に来る機会もめっきり減ったとはいえ、なにかの拍子で俺が手を合わせられる立場になったかも知れんのだな。
なんだか手を合わせることが多い今日この頃。そういう星の巡り、ということにしておく。