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一言半句
-Diary-

平成十六年 霜月 上旬
-2004 November, Early term-


十一月二日

ADSL モデム交換、速度アップ

故障した古い ADSL モデムを NTT から届いた新しいものに交換、無事に ADSL 接続環境が復旧する。

ADSL 接続を導入してから約二年半、面倒くさかったのと特に困らなかったのとでずっと 1.5M タイプだったのだが、これを機に 12M タイプへ切り替え。12M タイプを選んだのは、収容ビルまでの伝送損失 27dB に対しこの辺りが速度向上の頭打ちであるのと、月額料金との兼ね合いによる。

モデムの設定画面によるとラインモード G.dmt Annex C、上りリンク速度 992kbps、下りリンク速度 6464kbps。Studio Radish の速度測定システムでの計測では下り回線速度最大 5.250Mbps、上り回線速度最大 836.2kbps。速度タイプと伝送損失から見るにまあまあの値か。

ちょっと困ったのは新しいモデムの置き方。これまでのは横置きタイプだったため A4 用紙トレイを裏返した台で他の機器とあわせて積み上げていたのだけど、新しいのは縦置きタイプなのでそれはできない。仕方なく、百円ショップで買ってきた簡易キッチン棚を使い、どうにか設置場所を作った。

あとは 50cm くらいの短いモジュラケーブルが欲しいところ。


十一月六日

怪しげな通販案内の封書、届く

夕方、俺宛ての郵便物の中に『Soft じゃんぐる』と刷られた茶封筒が一つ。そんな会社は初耳であるし、裏側に刷られた送り元の住所も見覚えがない。加えて、送り先はプリンタで刷ったタックシールをシワも気にせず斜め気味に貼ってあるという、企業 DM にあるまじき乱雑さ。

訝しみながら開けてみると、PC 用ソフトウェアの商品一覧三枚と注文用 FAX 送信票が一枚。商品一覧には MS の OS が七千円均一であったり Adobe の製品が八千円均一であったりと、まともとは思えない販売価格がずらりと並ぶ。たまに spam メイルでくる「激安ソフト販売」の類だろうが、とうとう DM でもやりはじめたのか。でも DM と FAX だと足がつきやすいからマズいんじゃ?

そんないらん心配しながら FAX 送信票の方を見て、納得した。注文、問い合わせとも 080 で始まる携帯電話番号。ヤバくなったらケツまくって逃げる気満々だ。封筒裏の住所が示す場所に事務所なんぞはなから無いに違いない。仮に購入したらパッケージの代わりにシリアル No. が書かれた紙と CD-R が送られてくるんじゃなかろうか。

一方、わからんのは FAX 番号が 020 からはじまってること。020 ってポケベルじゃなかったっけ? 転送とか利くのかしら? 総務省の電気通信番号指定状況によると 020 は発信者課金ポケベル電話番号で、事業者への番号割り当て表と照らし合わせるに鷹山らしい。でも鷹山の公式サイトにはポケベル(サービス名は「マジックメール」)の転送サービスは見当たらない。どうするんだろう。はてさて。

しかしこれ、買う人いるのかしら? 世間に warez の類が蔓延してることを考えるに、いるんだろうな。こういう怪しさに気づかなかったり、CD-R が届いてもその違法性を気にせずに「安ければ・使えれば OK」って人が。

カジュアルコピーもあまり減ってなさそうだし。


十一月七日

はじめての献血。

午後、地元繁華街を歩いていると、歩行者天国の端に日本赤十字社の献血車が停まっていた。脇の立て看板曰く、先の中越地震で多くの人が負傷した影響により型を問わず血液がかなり不足しているらしい。へたな義援金だとどう使われるか分かったものではないが(実際に駅前では例の怪しげな署名と募金を求める輩がいた)、血液ならそう言ったこともあるまい。今まで献血したことがないし、ひとつやってみようという気になった。

案内の係員に教わりながら問診票などを書き、窓口に提出してしばらく待機。おそらくはセンターのサーバにデータを送る為の携帯電話を接続したノート PC を広げている受付に呼ばれ、「初めてですか?」「今回ご協力頂ける献血の種類は?」などの質問に答えると、それら内容を入力して横のプリンタからマークシートシールを出力。一式をクリアファイルに挿み、「お食事から時間が経っているのでこちらを飲まれてから隣のバスへお願いします」と 200ml の飲み物と一緒に渡される。

バスに入ると奥には座っている人が二人。まず一方で問診票を見ながらいくつかの細かい質問に答える。特に問題は無さそう。そしてもう一方で事前検査。脈拍、血圧を測ると最高血圧 106mmHg。うわ、低い。高血圧症の両親を持つとは思えん。続いて 10ml ほど採血して血液型の検査。小学校入学時の集団検査で調べた B Rh+ で合っているようだ。ただし簡易検査なのであくまで参考とのこと。検査のあと「先に飲み物を飲んでしまって下さい」と言われたので、先ほどもらった飲み物を一気に飲み干してから、再び渡されたクリアファイルを持ってもう一つとなりのバスへ移動。

二台目のバスの中は採用設備。左腕、右腕のどちらでも採血できるよう可動式ベッド(?)が三つ。俺は右腕の方が血管が太いらしいので、そちらで採りやすいように動かしてもらってから座る。俺の図体だとちょっと足が詰って狭い。そしてベテランっぽい年配の看護師さんが消毒などの事前処置をしながら「手が冷たいですねー」を連発。いや、昔から周囲にそう言われているし、さっきの簡易検査でも言われたんだが。医療関係者にこうも言われると気になる。末端の血液循環に問題があるとか? 大丈夫なのか、俺。

そんな俺の心配をよそに、準備を終えた看護師さんからチューブの繋がった針を片手に「ではいきますよ」と声をかけられる。あの、その針、メッチャ太いんですが。さっきの検査採血で使った針とは雲泥の差があるし、感覚的にはボールペンのペン先くらいに見える。針先の穴もこれでもかと言うくらいでかい。少しでも採血をスピーディにって事なんだろうが、視覚的にどうかと。

その極太針をブスリと刺されて採血開始。はじめ結構あった痛みもしばらくすると気にならない程度に退いた。が、採血中はじっとしていなければならないので今度は手持ち無沙汰に。作業をしている看護師さんを眺めていると、やはりここでも置かれているノート PC の画面を確認したり、書類に貼った先ほどのバーコードシールをバーコードリーダ付きの PDA で読み取ったり。PDA の方が気になったので了解を得て見せてもらったところシャープ製。記憶にあるボタン配置などから調べるに、ハンディターミナル RZ-N150S だろう。腰のポシェットに入れた同じくシャープ製の SL-C860 は出さないでおく。

十分足らずで採血は終わり、「二時間は剥がさないで」と言われたガーゼを採血痕に貼りつつ、渡されたファイルを持って再び受付へ。ちゃっかりもう一本飲み物を飲んで待っていると、粗品とパンフレット、それと献血手帳を渡された。それらをウェストバッグに収めて帰途に就く。

初めてな事もあって色々と観察していたのだが、少々問題だと思うのは待ち時間が長いこと。移動式でベッド数が少ないから仕方なくはあるものの、休日の午後に三十分とか言われると「じゃあちょっと……」とやめてしまう人もいるのではないか。それと初めてなのと自転車で帰ることもあり 200ml 全血献血にしたのだが、しきりに 400ml を勧められた。不足しているのは分かる。だから献血を申し出たのだ。でもこちらにも都合があるので勘弁して欲しい。実際、帰りに自転車のハンドルを握っているとちょっと痺れや痛みがあった。

ちなみに粗品は Pentel のシャープペン。握りやすいグリップが付いておりなかなか良さげだが、横に大きく「愛の献血○○○推進協議会」とプリントされており、出先では恥ずかしくてちょっと使えそうにないのが玉にきず。

さて、送られてくる検査結果を楽しみにしておこう。


十一月十日

Firefox1.0 正式版へ移行

Firefox1.0 正式版が昨日公開されたので MOOX の最適化ビルドをインストール。プロファイルは Preview Release のものでも大丈夫なようだが、念のため新規作成しておいた。設定ファイルのコピーとか、大した手間でもなし。

ネイティブの SingleWindowMode の設定がデフォルトでオプション画面から隠されてしまったのは少々残念ではあるけれど(about:config か user.js で browser.tabs.showSingleWindowModePrefs を true にすれば表示可能、のはず)、いつも通りタブブラウザ拡張機能を入れれば済む話だしまあいい。動作は今のところ快調というかいつも通りというか。細かい部分がちょっと変わっている。

Phoenix0.2 の頃から触り始めてかれこれ二年以上使っている身としては 1.0 正式版が出たことは「ようやく 1.0 か」とちょっと嬉しい。しかしその一方、メディアがいくぶん騒ぎ過ぎのようにも感じられる。まあ IE のパッチ未公開な脆弱性を突くウィルスが見つかっている折もあるだろうし、Mozilla 関係者としては良い宣伝になっているのだろうが、謳われるほど Firefox は secure なブラウザではないように思うし、関連サイトが過負荷になるほどアクセスが集中して繋がりにくいのがちょっと困る。

それと、この勢いに便乗する輩がいるのがどうも。具体的には Vector の「Firefoxファンクラブ」。メールマガジン配信に乗じて Vector パスポートとやらへの登録をさせようとする目論見がありありとわかる。それと「無料」「無料」と font タグで色を変えてまで連呼するなと言いたい。乞食か。OSS すなわち無料であるような誤解を招きかねん説明まで書かれてるし。あ、「えむもじら」でもけなされまくりだ。まあ、そんなところを見るのならMozilla Firefoxまとめサイトの方が百倍役に立つってもんだろう。

あるいは「価値ある物には相応の対価を」という意識が薄れてきてるのかなあ……。

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
WebSite URI: http://sp48k.t12i.net/