ふと思い立って、読みさしたままだった『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン 著/東京創元社 発行)を冒頭から一気に読み切る。
なかなか面白い作品だった。物語の屋台骨である真相の組み立てられ方とそれが解明されてゆく流れを描くことを主題とする作品で、自然科学に対してある程度の興味と知識がある人ならば楽しめると思う。その一方、登場人物や人間模様などはあくまで演出のための記号あるいは小道具として使われているように感じる(実際、人物描写はさして深くなく、主人公のハントとダンチェッカーの描かれ方は少々ステレオタイプ)。要は純粋にサイエンス・フィクションを楽しむ作品。
個人的にちょっと残念だったことは、物語半ばで真相の肝の一つである月の“遍歴”を思いつき念頭に置いて読み進めたため終盤のどんでん返しにあまり驚きを感じられなかったことと、最近はコンピュータシミュレーションによってジャイアント・インパクト説がより有力となり作品中のような結論は考えづらいこと。まあたまたま思いついてしまった運の悪さと書かれた年代ゆえの古さに文句を言っても仕方ない。最後のどんでん返しとエピローグで楽しませてもらったので良しとする。
巻末の解説に続編として『ガニメデの優しい巨人』と『巨人たちの星』が挙げられていたので、試しに市立図書館のサイトにある蔵書検索を叩くとどちらも本館に所蔵されている様子。ただ、貸し出されているか否かは館内の検索端末でないとわからない。来週から蔵書点検で休館になってしまうので明日にでも本館を覗いてみることにする。
ついでによさげな水彩画の解説書があれば借りておきたい。
日もとっぷり暮れた頃、市立図書館本館へ。検索端末を叩いたり書架を眺めたり。通常の貸出期間二週間に休館期間二週間が加わり都合四週間借りられるとのことで、普段より多めに本を借りる。
『ガニメデの優しい巨人』は保存庫にあったため職員に面倒を掛けてしまったのだが、『巨人たちの星』が開架に置かれていたのだからシリーズ物として一緒に並べておいて欲しかった。
あいにく『内なる宇宙』は上下巻とも本館には無し。
一日ごとの Apache ログが gzip 形式で提供されるようになったまではともかくとして、毎回手作業で展開、結合するのは面倒と思い、一括で処理できるよう久しぶりにバッチファイルを書く。
いろいろと忘れているので Windows ヘルプでコマンドリファレンスとバッチコマンドの項目をつまみ読みつつ、手作業で行うことを順次適当に書いてゆく。
簡単なバッチファイルのはずが、 copy と move がディレクトリ指定の際は先頭に "." をつけないとカレントディレクトリではなくカレントドライブのルートディレクトリからのパスになることに気付かず、しばしはまる。DOS の頃からそうだったっけ?
ひととおり直し、動作を確認。これで週一回くらいづつ拾ってきたログを順次月ごとのログにまとめていけばよかろう。
作業中、 Perl で書いてヘルプを出力したり対話形式にしても面白いかと思ったけれど、どうせ自分しか使わないものだから要らんだろうと思い直して却下。
とあるサイトを見て、十六日に COMITIA66 があるのを思い出した。会場の雰囲気はとても好きだし、二、三は覗きたいところもある。あまり買わないにしてもできれば行きたいところではあるのだが、さて。
天候がよろしくなさげなのがどうも。
おととい借りた『ガニメデの優しい巨人』(ジェイムズ・P・ホーガン 著/東京創元社 発行)を読み切る。
異星人ガニメアンの登場を媒体にこれまでの謎の解明、物語の展開、そして新たな謎の提示という話の流れを色々な SF 的小道具で飽きさせずに書かれている。まさしく『星を継ぐもの』の続編。『星を継ぐもの』においてハントが自由で奔放な発想を以て問題解決に対する新しい切り口を提示する役として、ダンチェッカーが冷静に事実と仮定を積み上げ理論を構築していく役としてバランスのとれた謎解きコンビぶりを発揮していたのに対し、『ガニメデの優しい巨人』ではハントはガニメアンたちのホスト役に忙しく、謎解きのウェイトがダンチェッカーに偏っているように思いはしたが、ともあれ楽しく読めた。
それはともかく、本当は一冊につき一週間くらいのペースで読むつもりだったのが二日で読んでしまったのはちょっと失敗。明日にでももう一冊くらい借りてこないと、休館期間半ばで借りた本全部読み終わってしまう。
面白げな SF はないか。
ここのところもば絵こんてすと 2003 応募のためぼちぼちとスタイラスを動かしているのだけど、PrismPocket の分は既存のうちからの一枚を手直しして準備完了として、PrismPaint の分がはかばかしくない。QVGA サイズで描いてきているせいか VGA サイズとなるとどうも塩梅が掴めない。
それと、なまじいくらでも描き直しがきく分いじり過ぎ、挙げ句バランス崩してボツの繰り返し。仕方なく、クロッキー帳に鉛筆でラフを描き、赤の色鉛筆で肉付けする方法に切替えて構図模索の段階まで逆戻り。これだと直し無しでガシガシ描いて試せる。描きながらふとしたときについ Undo ボタンを探してしまったりするのは情けないが、袋小路にはまってるよりは良かろう。
しかし間に合うのか、これ。
現在 9:05 。天候良し。体調良し。ということでビッグサイトで開催される COMITIA66 へ行くことにする。
自転車で。
計算では片道約 37km 。
9:15 自転車にて自宅出発。紆余曲折を経て、予定より三十分近く遅れて 11:50 有明ビッグサイトに到着。
階段の上り下りもままならないほど重い脚を引きずり東館に入場。とりあえず汗で濡れた服を着替えてから 500ml ペットボトルのミネラルウォータとティアマガジンを買い、近くのベンチでサークルチェックを兼ねて休憩。三十分後、ようやく動けるようになったので COMITIA 会場内へ。
チェック済みのティアマガジンを片手に端の島からサークルをざっと観て行く。かれこれ三回目なので勝手も掴めてきた。あいかわらず惹かれる本は多いが全部見てるときりがないから「これは」と感じた物のみ見せてもらう。気に入ってもよほど残り僅かでなければその場では買わずにマップにチェックを入れておき、ひととおり回ってから、マップにチェックが入ったサークルをもう一度見てまわり買う物を決める。コミケのような混雑とは無縁な即売会だからこそできる方法だが、これで買う本をある程度絞り込むことができる。とはいえ結局、十冊ほど購入。
買い物のほかには、知り合いのサークルさんに挨拶したり、展示コーナで墨絵描きの実演を見て感心したり。あと、COMITIA64 のときに 10 円でオフセット本を売っていたサークルさんが今回も 10 円で売っていて、「あんたも好きだねえ」「ポリシーだから」なんてやりとりがあったり。たまにこんな酔狂な人がいて楽しい。
あまり帰宅が遅くなるわけにはいかないので 14:50 に会場脱出。自転車に乗る前にクリップでズボンを留めようとしたら柄の一方が吹っ飛んで己の運の悪さを恨んだが、マイナスドライバで吹っ飛んだ柄をどうにか代用して 15:15 出発。行きと違い、帰りは特に問題もなく 17:45 自宅到着。
ちなみに、今回の行程では荒川サイクリングロードの四ツ木橋〜荒川河口橋区間約 10.6km を走行。河川敷のサイクリングロードには大きなアップダウンや信号などストップアンドゴーを要する箇所が無く、同じ距離でも一般道に比べ体力の消費が少なくて済むとにらんでのコース設定だった。しかし、往路では強烈な向かい風(横を走る首都高の電光掲示板では 10〜12m/s と出てた)で必死に漕いでも 20km/h も出なかったり、途中分断されたサイクリングロードの接続が地図を見てもさっぱりで随分と迷ったりでことごとく裏目に出てしまい疲労困憊の有り様。大失敗。代りに復路では一転、強烈な追い風に押され楽々 30km/h で巡行、道もまったく迷わず。行きと帰りでは走り心地に天国と地獄ほどの差があった。
サイクロメータによる走行距離、走行時間。往路 41.2km, 1:57:30 (av. 21.0km/h)、復路 38.1km, 1:47:28 (av. 21.3km/h)。最高速度 41.5km/h 。帰りはかなりスタミナが切れていた。