おふくろを連れて祖母の見舞いに行く。これまでは寝ているか半分寝ているような状態でほとんど有意な反応は見られなかったのが、今日は完全に目が覚めていて俺たちの顔も認識している様子。片言ながら声も出し、起き上がろうとまでする。
とはいえ、発する声は聞き取りが難しいほど小さいし言葉になっておらず、持ち上げられるのも頭くらい。すでに入院は一ヶ月を超え、寝返りも打てないのだから無理もない。それでも ERBD 以来自発的になにかしようとする様を初めて見たのだからおふくろの喜びもひとしおだろう。八日に主治医から聞いた話では心配された ERBD に伴う膵炎もほとんどなく、検査結果を見る限りではすでに平常に戻っているとのことで、これが回復の兆しであるならなによりではある。
これで会話が出来るようになればまたずいぶんと違うのだがな。