先月末、 IAU 決議により冥王星のカテゴリが惑星 (planet) から dwarf planet (正式和名未定)へ変わったことについて、テレビや新聞がこぞって「惑星から格下げ」だの「降格」だのと書き立てているのを目にするにつけ、毎度のことながらマスメディアの質の低さにうんざりさせられる。
今回の決議は、探査・観測によって近年急速に広がった科学的知見をもとに行なった太陽系内天体の再定義にともなう単なる分類の変更。そこには位や等級といった優劣の類の意味は無い。“格”などという言葉を使うのは明らかに間違い。たとえるなら、(実際そんなことはないだろうが)分子生物学的再調査によってチューリップの分類がユリ科からヒガンバナ科に変わったとして、それを「チューリップ、ユリ科から格下げ」というくらいナンセンス。
先日冥王星特集をした NHK「クローズアップ現代」の制作スタッフも軌道離心率を軌道傾斜にすり替えようとしたそうだから、マスメディアにとって視聴者受けのためなら事実の歪曲など当然の行為なのだろう。以前からその傾向はあったわけだが、最近つとに酷くなったように感じるのは気のせいか。
ところで、この決議に対して反対する天文学者や困惑する教育方面がいるそうだ。
天文学者の反対はどうやら「冥王星を発見したアメリカという国の名誉」や「惑星でなくなる事による研究予算縮小の懸念」が理由であるようだ。なんとも苦笑いするしかない。分類が planet だろうが dwarf planet だろうが新天体の発見という業績に対する科学的価値はいささかも変わらないはず。その研究価値も然り。これからも胸を張って構わないし、研究資金を提供する組織・団体にはその旨をきちんと説明、納得させるのが研究者の務め。聞こえの良い呼び名にかこつけてパトロンに金をせびるようではその研究とやらの中身も怪しいもの。
教育方面の困惑は「どう教えたらいいか?」であるらしい。それと教科書の内容を変更するか否か。これは新定義で教えるべきだろう。それも今回の経緯を交えて話してあげるといい。子供達にとって、教科書通りに「太陽系の惑星は〜」などと淡白に教えるより、よほどドラマティックで興味深く面白い授業になる。教科書は急いで刷り直す必要はなし。補助プリントの配布や、あるいはいっそ教科書に子供自身で書き加えさせれば良い。その方が印象に残る。
それはともかく SMART-1 月面衝突おめ。
行きつけのショップから、取り寄せをお願いしていたサドル SPECIALIZED BG SPORT CLASSIC が入荷したとの連絡をもらったので MTB に乗って引き取りに。行ってみるとわりあい手が空いているようだったからついでに取り付けもお願いする。3800 円也。新しいサドルの座り心地を確かめつつ帰宅。
座ってみての第一印象は「硬くて細い」。といってもこれまで使っていた BG COMFORT CLASSIC との比較で、これが COMFORT の名前通り幅広でフカフカの座り心地優先設計な代物。スポーツ車用サドルとしては一般より軟らかく幅もあるはず。思い出してみると、これまで乗ってきたロードやランドナーのサドルの方が細くて硬かったように思うから、ひとえに慣れの問題だろう。
ちなみに古いサドルも持ち帰ってサイトの写真と見比べてみると、真ん中辺りの反りが明らかにきつくなっており、くたびれようが見てとれる。後ろの方に座っていたつもりだが荷重は真ん中の方にかかっていたらしい。
さて、しばらくポジション調整に気をつかわねば。