明日、NASA のスペースシャトル(ディスカバリー)が十一ヶ月ぶりに打ち上げられる予定。外部燃料タンクの断熱材剥離について、エンジニア側で反対の意見があるものの政治的判断で半ば強行的に踏み切る今回の打ち上げは注目している。
ただ、Launch Date: July 1, 2006, 3:49 p.m. EDT
ってことで日本では明朝 4:49 。夜更かしするには遅いし、早起きするには早すぎる、微妙な時間帯。はたしてライブで観られるか。
さて、昨年からの強硬方針、吉と出るか凶と出るか。
スペースシャトルのミッションページにある七月三日午前十時付けの Status Update によると、外部燃料タンクの断熱材に亀裂が見つかったらしい。
無理もない。昨日、一昨日と打ち上げを中止するたびに極低温の液水・液酸を出し入れしたのだもの。繰り返し熱応力が掛かれば、延性に乏しいであろう発泡断熱材が割れることなど想像に難くない。熱応力や熱衝撃は構造強度設計において考慮すべき重要な項目の一つなのだから、NASA とてこうなるであろう事は想定していたはずだ。
現在のところ打ち上げ日時やらを検討しているそうだが、見えないところにも亀裂が入っている可能性は十分ある以上、もはや議論する余地はないと思うのだがなあ。
これで「そのまま打ち上げる」と言ったら、NASA はもうダメだね。
うわ、連中、本当にそのまま打ち上げるつもりだ。酷いな NASA 上層部。これだから技術的問題に政治的圧力が介入するとろくな事がない。
いや、あるいはこれでシャトルをお釈迦にして、それを機に金食い虫のシャトル運用と ISS 建設を反故にするつもりだったりしないか。そうすれば火星有人探査計画に全力を傾けられる。甚だ嫌な考え方だが。だとすれば(軌道上で問題が見つかり ISS に緊急避難するとしても)クルー達は人身御供ということに。そうならんことを祈る。