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一言半句
-Diary-

平成十八年 如月 下旬
-2006 February, Late term-


二月二十四日

日本のロケット連続打ち上げ成功に思う

この一ヶ月間に連続で打ち上げられた H-2A-F8, H-2A-F9, M-V-8 はどれも成功、「運輸多目的衛星新2号(MTSAT−2)の静止化完了及び愛称について」によれば MTSAT-2 も昨夜無事に静止軌道へ投入され「ひまわり 7 号」と命名。「あかり」(ASTRO-F) は二次元太陽センサの具合が芳しくないものの、とりあえず運用には支障ないそうだから大丈夫だろう。

M-V-4, H-2A-F6 の失敗で停滞感と不安感のあった日本のロケット打ち上げ事業も、これでようやく本来の軌道に戻ってきたように思う。もちろんアリアン、アトラス、デルタ、プロトンといった欧米のロケットと比べればまだまだ実績は足りないけれど、一足飛びに得られる物で無し。この調子で地道に打ち上げ成功数を増やしていければ、いずれ肩を並べることができるはず。

さしあたりの心配は、実績を作ろうにも肝心のペイロード請け負いが難しいこと。国内需要はなかなか無いし、国際的に見ても過当競争状態。それと次回から H-2A の打ち上げは JAXA から三菱重工に移管されること。これほどの巨大システムを引き継ぐとなると完璧にとはいかないし、民間企業だとコスト云々で綻びも出やすい。そしてロケットというシステムは些細な綻びも覿面に失敗へ繋がる。

そして技術面よりも心配なのが政治面。宇宙作家クラブ ニュース掲示板の「No.1031 :種子島・内之浦ゴールデンラズベリー賞」を読むに、天下りだかなんだかでやってきている JAXA (含む旧 NASDA)上層部のわがままっぷりは、ロケット打ち上げのみならず今後の宇宙開発全般にとって足枷でしかない。まあ、政治面からくる影響は日本だけで起こっている問題ではないのだけど、だからといって看過して良いわけでもない。

ああ、こうして考えるとまだまだ前途多難なのだな。

ヘコむ話やね。

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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