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一言半句
-Diary-

平成十八年 如月 中旬
-2006 February, Middle term-


二月十二日

FTTH 導入の検討

これまで「自宅でサーバを建てるわけでなし、要らんだろう」と考えていた FTTH について、そろそろ料金もこなれてきたし接続プロバイダである @nifty でキャンペーン展開していることだしということで、導入を検討してみる。というか、電話での勧誘が激しくてうんざりというのもあるのだがそれはともかく。

とりあえず費用面を考える。現状、NTT へは加入電話と ADSL の基本使用料など諸々で ¥4809 、 @nifty へは ¥2100、計 ¥6909 を毎月支払っている。これを「@nifty 光 with フレッツ」と「ひかり電話」に置き換えるとそれぞれ月額 ¥6720, ¥525、計 ¥7245 。移行により月額 ¥336 の増額と初期費用(同番移行+加入電話休止) ¥3150 がかかる。ただしキャンペーンで「@nifty 光 with フレッツ」の月額料金は八ヶ月間 ¥1575 の割り引き(計 ¥12600)を受ける。この割り引き分を初期費用と月額費用の増分で食いつぶすまでの 28ヶ月は現状と同じ費用と考えることが出来る。

ところで、自室に引いている加入電話はほとんど使っていない。PHS で事が足りていてもっぱら勧誘電話が掛かってくるくらい。ならば「ひかり電話」無しでいいじゃないかと考えてみると、月額 ¥6720 と初期費用(加入電話休止) ¥1000〜2000 のみ。月額 ¥189 の減額で済み、キャンペーンの月額費用割り引きも得られる。かなりお得。

とはいえ費用以外のこともいくつか考える必要がある。ひとつめは開通工事。工事に伴って部屋の片付けもせねばならないし、当日立ち会わなければならないのは少々面倒。つぎにルータ。現在のルータを購入してから四年近く。当時でそこそこ速いルータを買ったつもりだが、SmartBit 61Mbps のスループットではボトルネックになるだろう。力不足とならないルータを新たに購入するとしたら、それなりの出費は覚悟せねばなるまい。少なくともキャンペーンの割引分はチャラになる。そして加入電話の番号。@nifty をはじめいくつかの企業へ個人情報として自室の電話番号を登録している。これを変更せねばならないのだが、具体的に何処と何処と何処、などと憶えていない。変更漏れがあったりすると厄介なことがあるやもしれない。

まあ、これまでの物から別の物に換えようとすればメリットデメリット両方があるのは当たり前であるから、もうちょっと検討してみよう。

といってもキャンペーンは今月末までなのだが。


二月十九日

蔵祭りを見に行く

蔵元の鍋店で催される仁勇蔵祭りに誘われたので、朝七時、酒屋の連れが運転する車に便乗。一時間ほどで現地到着。開場までの一時間近くを車内や近辺の散歩で時間を潰す。時刻確認にしばしば PHS の画面を見るがゲージはついぞ一本も立たず。田舎だ。

そうこうするうち、予定より十五分早くの開場。受付で招待状の葉書と引き換えに酒粕 200g と「仁勇」の名が入ったぐい呑みを受け取る。酒粕は搾りたてなのか香りが高い。さっそく会場を見渡すもどこもまだ準備が済んでおらず。とりあえず暖取りも兼ね、ビデオ上映室で酒造りの概要説明を観る。エンディングテロップによると地元 CATV の制作らしい。いかにもな画づくりだったので納得。

そろそろよかろう、ということで蔵内見学へ。この酒蔵、外見は鉄筋コンクリートだが中は木造のまま。近代的な生産管理が進み乳酸菌を人工的に添加する速醸系に移ったとはいえ、いまだ建物内に住む菌類の影響を無視出来ずむやみに変えられないらしい、とは連れの弁。

中にはいるとまずは蒸し上がった米。見学者一人一人の手に少量を取ってくれた。説明によれば 60% 精米との事。形は米粒というより真ん丸のビーズに近い。40% でも相当削られていることがわかる。外側が硬く中が軟らかい「外硬内軟」という蒸し方で、口に入れるとスーパーボールを噛んでいるみたくかなり強いが、酒造りにはこれでいいのだという。

手のアルコール殺菌と白衣、帽子の着用、サンダルへの履き替えを挿んで二階に上がり、次は麹造り、のはずだが十時からとのことで後回し。仕込みに使う麹米を先ほどの蒸し米と同じように少量もらう。見かけは白くてさらさらした粒。そして口に入れるととても甘い。麹菌が米のデンプンをきちんと糖化していることがわかる。

次は酒母。見せてもらったのは三段仕込みの一段目にあたる「初添え」と三段目の「留添え」のもの。液面を見ると、初添えは泡が大きく、留添えはメレンゲのように滑らか。アルマイト製の大きな瓶が浸けてある物もあり、湯たんぽのように中へお湯を入れることにより温度調整の役割を果たす。

そしてもろみ仕込み。発酵タンクの上から中を覗く。周囲に置かれていた柵は、素人が不用意に覗き込むと溜まっている二酸化炭素で倒れてしまうからだそうだ。

一階に戻り、もろみの搾り機を見せてもらいながら、機械搾りと吊るし搾り両方の味をみる。受付でぐい呑みをくれたのはこれが理由。比べると、自重任せの吊るし搾りの方が断然まろやか。もろみを搾りきってしまう機械搾りは余計な成分まで出ているのか味が刺々しい。味と効率のトレードオフとなっている。

ここで一旦蔵を出て、即売会会場へ。連れが担当営業さんに挨拶をしつつ俺は案内されるまま試飲コーナを一巡り。全種類飲んでしまうと酔っ払って訳が分からなくなってしまうからお勧めのいくつかだけ。当たり前ながら良い酒は美味い。だてに高い値は付いていないのだが、この味を覚えてしまってはそこらの安酒は飲めなくなってしまうだろう。無難に、この時期一部の直販所でしか買えないという極甘口のもち米にごり酒「とろり酒」を買う。500ml 910 円也。なお、試飲コーナの後ろ側には大きなクーラーボックスが並び、中には酒瓶が氷に埋まっていた。やはり良い酒はなにかとデリケートなようだ。

十時を過ぎたので酒蔵へ戻り、麹造りを見に行く。麹造りの部屋は温度、湿度の変化を嫌うため一度に十人ずつを入れての見学。中では工場長直々による説明。米を外硬内軟に蒸すのは、軟らかく水分の多い内側へ入ろうと硬い外側を掘り進む際、麹菌が出すさまざまな酵素が酒造りに重要であるからで、これをより促すのが理由だそうだ。その一方、麹造りの最中は温度湿度や米の水分量を綿密にチェックして麹菌が繁殖しやすいよう大事に管理する。まるで飴と鞭。勉強になる。部屋の蒸し暑さは少々つらかったが。

ふたたび外に出て、無料配布の甘酒をすすりつつ広場の屋台を見る。野菜やら焼きそばやら酒とは関係ないものも。町興しの一環として役場や農協からも人がかり出されているのだろう。おいしいと聞いていた酒ケーキを探すもあいにくと見あたらず。残念。連れは酒饅頭を買っていた。

ひととおりの挨拶と見学も済んでしまったので、十一時半に会場を脱出。連れが贔屓にする船宿で昼食を摂り、BOOK-OFF を梯子しつつ午後二時半帰宅。

夕食は酒粕汁。美味かった。

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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