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一言半句
-Diary-

平成十七年 葉月 下旬
-2005 August, Late term-


八月二十二日

Zaurus の USB 経由バックアップ機能を取り戻す

昨年三月に購入してから触らぬ日はないほど使い倒している SL-C860 ではあるが、実は昨年十一月以降本体メモリのバックアップを行なっていなかった。サボっていた訳でなく、それまで一ヶ月毎に USB 経由できちんと取っていた。それがある日から PC 側のバックアップツールで「バックアップ先の空き容量が足りません」云々のエラーが出るようになり、取りたくとも取れなくなった次第。もちろんバックアップ先の HDD には GByte 単位の空き容量があり、足りないなどと言うことはない。

幸い日常的に同期をとらねばならぬようなデータはなく、また歴代 Zaurus シリーズは PC 接続無しのスタンドアロン運用ができる PDA なこともあり、さしあたり困ることがなかったので「まあいいや」としばらく問題をそのままにしていた。

しかし、その後も使い易さを求めてあれやこれやとアプリを入れたりカスタマイズをしたりと覚えきれないくらいいじっている。ここでもし本体メモリの内容を損なった場合、真っ新から現環境まで整備し直すのにえらく苦労するであろうことは想像に難くない。いい加減バックアップをしておかねばなるまいということで問題の解消に取りかかることにした。

まずは PC 側のバックアップツールが具体的に何をバックアップしているのか、バックアップ先のディレクトリを見る。どうやら /home 以下の実体を持つファイル全てをディレクトリ構造そのままコピーしてるっぽい。圧縮くらいしても罰は当たらぬ気もするが、おかげで分かりやすくはある。

次に他のユーザでも同様の問題が起こっているか、起こっていればその原因や解消法がないか、ウェブを検索してみる。するとやはり方々で起こっているようで、考えられる原因としていくつか項目が挙げられていた。

  1. ファイル名に 2byte 文字を含むファイルが存在する場合
  2. Windows で扱えない文字 (¥/:,;*?<>|) を含むファイル/ディレクトリ名が存在する場合
  3. パスの長さが 80byte を超えるファイルが存在する場合

一つ目は必ずしもというわけでもないようなのだが(実際自分の環境でもバックアップできていた)、これらを本体メモリからメモリカードに移動したりファイル名を変更することで解消できたという報告がある。 SL-C860 内の Samba 設定ファイル smb.conf には以下の記述があり、PC−Zaurus 間でのファイルのやり取りに際して Samba がファイル名の文字コードを utf-8 と shift_jis とで変換しているようだから、それが上手くいかないケースがあるのかも知れない。

coding system = utf8
client code page = 932

本体メモリ内でファイル名に 2byte 文字を含むファイルとなると、MI-E21 から引き継いだテキストメモや手書きメモ画像、NetFront3.0 でブックマークとして保存されるインターネットショートカットファイルくらいしかない。さっそくこれら全てを SD カードに移動してから、バックアップツールを起動して実行。結果、変わらず。このケースではなかったらしい。

あとの二つはユーザの問い合わせに対するシャープの回答だそうだ。二つ目は Windows のファイルシステムやコマンドプロンプトで予約されている文字であるため、これをファイル名に使ってしまうと PC 側での保存ができないのは分かるとして、三つ目の 80byte なる数字の出所が良く分からない。Windows の絶対パス長は 255byte までとする制限があると聞いているが、これに関連するとなるとバックアップ先として指定するディレクトリのパス長にも依るはずだから一概に 80byte とはいえない。Zaurus 本体メモリで使われているファイルシステム ext2 の制限とも思えないから、おそらくバックアップツールの制限なのだろう。

/home 以下のファイル全てについて、そのファイル名とパス長を調べるのに Zaurus 内の Tree!Explorer QT などでちまちま見ていっては気が遠くなるような作業である。su で root になり ls -ARl /home > /mnt/card/ls-home.log で SD カードにファイル一覧を作ってそれを画面の広い PC で見ることにした。

エディタの検索機能によって Windows で扱えない文字が無いことはすぐに分かり、ページスクロールしながらざっと流し見ることでパスの長すぎるファイルも無いことが分かった。となるといよいよ原因不明。このままでは本体メモリの内容が壊れぬことを祈りながら日々戦々恐々と使い続けねばならないことになる。それはさすがに嫌だ。

なにかおかしいところはないか、もう一度ファイル一覧のパスとファイル名を一つずつ見ていく。すると、ファイル名になぜか制御文字 0x10 を含んだファイルが q2ch のデータディレクトリ /home/zaurus/Documents/.navi2ch にあるのを見つけた。制御文字では表示できるはずもなく、PC 側でもファイル名の付けようがない。 Windows で扱える扱えない以前の文字。表示されるエラーが的外れなのはさておき、バックアップツールがこけていたのはこのファイルが保存できなかったことが原因と考えられる。(なお当然ながら Tree!Explorer QT でも 0x10 のコードは表示されない。ファイル整理でたまにこのディレクトリを見ていても気づかない訳だ)

念のため前回までのバックアップに無いことを確認した上で件のファイルを削除し、再びバックアップツールを起動、実行。ファイルリストの取得が終わり、プログレスバーの目盛りが進んでいくもエラーは出ぬまま、無事バックアップ完了。問題解消。

もっとも、以下のような話もあるのでバックアップが取れるようになってもあまり安心できないようである。まあ取っていないよりはましと言ったところか。

バックアッププログラムは、処理失敗時にもエラー等を吐かないので原因解決は困難を極める。
リストアに失敗すればバックアップに失敗してるのが特定できるが、それ以外の判断材料は無い模様
シャープに何度か問い合わせてるが現状、バックアップ失敗の解決策・成功失敗の判断材料は無し。

という事で、バックアップ・リストアをアテにしないのが解決策かと。

ちなみに Zaurus 単体で SD カードまたは CF カードへのバックアップもできる。聞いたところでは tar で保存するだけらしいので問題解消の作業を行なう前に tar cvf /mnt/card/home.zaurus.tar /home/zaurus/* を試してみると、エラーも出ず無事 60MB 近いアーカイブファイルを出力した。この結果を見るにおそらくカードバックアップはできたのだろう。しかし、バックアップのために毎回カードに 100MB 近い空き容量を確保して、作成されたアーカイブファイルを PC にコピーするのは面倒であるし、根本の原因が分からないといずれ困ることがあるだろうと考え、最終手段としておくことにした。

それにしてもなんでファイル名に制御文字が。


八月二十四日

iTunes を試す

公私を問わず方々のウェブサイトでその話題を目にする iTunes を今さらながらインストールして使ってみる。

ありがたみがわからん。

CDex で freedb からのアルバム情報取得とリッピング&エンコーディング→SuperTagEditor でタグ修正&プレイリストファイル (*.m3u) 作成→KbMediaPlayer で再生、という連携にさしたる不満もない現状ではこれらの代替として乗り換える理由に乏しい。それに、起動後の初期状態で使用メモリ量が 40MB を越えている。ミニプレーヤモードに切り替えても 20MB を下らない。何の冗談かと思った。これでは BGM 用プレーヤとして常用するに難がある。

ミュージックストアも 10 万曲の登録数を誇るというからさっそくお気に入りのアーティスト名で片っ端から検索してみたが、まるでヒットしない。日本語はもちろんローマ字でも試したが駄目だった。聴きたい曲があれば「しげる」気満々だったのにがっかりだ。そりゃたしかにさねよしいさ子やらフェアチャイルドやらマイナーなのばかり聴いている自覚はあるが、曲の新旧や有名無名にかかわらず客に提供できるのが在庫に物理的空間を要さないネット経由でのデータ販売が持つ強みであるのだから、その方向にもっと力を入れてもらいたいなあ。

ネットラジオは日本の曲を延々と流す局があって BGM として聴くに悪くはないのだが、前述した使用メモリ量の事もあって使えない。ポッドキャスティングは今のところ聴きたいリソースが見当たらないので使うあてもない。

iPod の一台も持っていれば必然的に使うことになるし、それに伴って活用できる場面もあるに違いない。とはいえ携帯プレーヤは Zaurus の Music Player で間に合っていて当面購入の予定はない。

書き連ねていくとないない尽くしでまるで役に立たなさそうな iTunes であるが、世間の評価を鑑みるに要は使う人次第なのだろう。単に俺の使い方には合わなかった、と言うだけのことだ。

そしてアンインストール。

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
WebSite URI: http://sp48k.t12i.net/