六〜七月とおふくろが教育入院中に行なった MRI にて見つかった子宮筋腫の経過を診るため、約三ヶ月半振りに婦人科へ。もはや当然なこととして俺も付き添い。
朝九時からの診察予約で予約時刻三十分前に担当科窓口で受付を済ませねばならず、八時に自宅を出る。例の裏道は通勤時間帯だけにさすがにいつもより交通量は多かったものの、それでも二十分かからずに病院前に到着。表通りを行けば倍の時間でも済むまい。
窓口で七番の受付番号をもらい、待合室でぼちぼちと他愛のない話をしながら待っていると、九時を十分ほど過ぎたころ二番診察室に呼ばれる。中に入り、 さしあたり異常は見られない旨を伝えると、診察カードでカルテデータ呼び出しと登録を済ませた T 先生に「それではエコーで診ますので中待合室でお待ち下さい」と言われ、一度部屋を出る。
五分ほどで超音波診断装置のある五番診察室に呼ばれたので、おふくろはそちらへ、俺は待合室へ一度退散。スキャニング終了後しばし待つと呼び出しが掛かり、また二番診察室へ。
結果は特に問題なし。子宮筋腫自体は 7〜8cm と小さくはないが七月の検査から成長も変質もみられず、あとは年一回ほどこちらで診てもらうか、地方自治体で行なわれている子宮ガン検診を受けて経過をみるくらいで良かろう、とのこと。やれひと安心。これでまた入院だ手術だ投薬だなどとなったら大変だった。
お礼を言って退室し、会計を済ませて昼前にとっとと帰宅。
とりあえず、市の健診申込みについて調べておこうか。
午後がまるっきり空いたので散髪しに行きつけの床屋へ。
店に着くと先客がいたので三十分ほど待って自分の番。三ヶ月近くご無沙汰していたのを思いだし「三ヶ月伸びた分バッサリお願いします」とだけ言ってあとはお任せ。今日担当のおばさんには久しぶりに切ってもらうが、かれこれ十数年通っているのでたとえ寝ていても変な風に切られるような心配はない。
雑談なぞしながら長く伸びた髪をザクザクと切ってもらったあと調髪料を払っていると、若旦那が下の娘さんを抱いて奥から出てきた。「上の息子さんと一緒に保育園で預かって貰ってたんじゃ？」と訊くと風邪をひいて休んでいたそうな。たしかにたまに咳は出ているが、熱は下がったようで表情は元気そうだ。
若旦那と二言三言話していると、抱っこされている娘さんが俺のことをジーッと見てる。ためしに「こんにちは」と挨拶してみるとにっこりと笑ってくれて驚く。強面のせいで初対面の子供から怖がられなかったことなぞ無かったというのに。すげえ人見知りのなさだ。ちょっと感動。
聞くと、二月生まれで今は一歳九ヶ月、体重は 10kg ほど。まあぼちぼちかな。早くも喋るし歩き回るしで大変らしい。そんなことを話しているうちにも、当人はお店にある子供向けの飴玉を引っぱり出したり俺に差し出したりでいたずら盛り。まあそんなに元気なら大丈夫だろう。
帰り際、抱っこされている娘さんが誰に言われるでなく「バイバイ」と手を振ってくれる。これは親もびっくり。商売向きだな、この子。
良い看板娘になりそうな予感。