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一言半句
-Diary-

平成十八年 卯月 中旬
-2006 April, Middle term-


四月十五日

「宇宙科学講演と映画の会」へ行く

午前、あれこれ準備のあと自宅を出る。目的は新宿で開催される第 25 回 宇宙科学講演と映画の会。開場 13:30 となってはいるが、昨今の「はやぶさ」人気で参加希望者の数が膨れあがっているであろうことを見越し、早めに現地へ赴くことにした。

正午前に新宿駅到着。手っ取り早い昼食として、近くのマクドナルドでダブルチーズバーガーのバリューセットを食べる。パサパサしていて相変わらず美味くない。が、これまた美味くないコカコーラと一緒だと妙に美味く感じる相性の不思議。

食後に周辺をぶらつきヘッドフォンやカバンを見てから、十二時半過ぎに明治安田生命新宿ビル地下一階にある会場の明治安田生命ホールへ。開場までまだ一時間近くあるのに待合いのスペースには既に数十人の参加希望者。

とにもかくにもまずは受付でパンフレットやチラシの入った封筒をもらい、宇宙研生協の出張購買で嬉々として ISAS グッズの買い漁り。満足したところでうろついていると隅で Clie を弄っているはやしのさんを発見。そのまましばらく立ち話してるうちに、係の人から予定時刻より二十分早く「開場」の声が掛かったのでホールに入場。二人で前が空いた後段の最前列を確保。その後も入場者は後を絶たず、補助席の追加はもちろん開演の頃には立ち見客まで出た模様。予想通りか。

午後二時開会。司会は的ちゃんこと的川泰宣先生。講演は平林久先生による「「はるか」が見つめた宇宙 −3万kmの瞳−」と川口淳一郎先生による「「はやぶさ」のイトカワ着陸 −3億kmかなたに宇宙船をあやつる−」の二つ。おのおの一時間ずつ……のはずだったが平林先生の講演がいくらか延びてしまい、以後休憩や質疑応答の時間に巻きがかかるはめとなる。

講演のアウトラインは割愛。どちらも配布された資料に abstract としてよく纏まっている(講演資料は「宇宙ニュース」での事後報告から見ることが出来る)。スライドでは、平林先生直筆のユーモアに富んだイラストに笑ったり、一般にはまだ公開されていない高分解能のイトカワ地表写真に目を丸くしたり。トークでは、平林先生が穏やかな人柄で VSOP 計画を通した人との関わり合いや出来事といったエピソードに花を咲かせる一方、川口先生は自信に溢れた口調で「はやぶさ」の運用や観測結果に関するマル秘話を明かして幾度も観衆を驚かせる。お二方ともタイプは違えどとても話がうまい。自分の学生時代にも講義でのこぼれ話が面白い教授が居られたことを思いだした。但しそういう先生の常として講義内容がなかなか進まないもの。今回の講演でも残念ながら用意されていたスライドを消化し切れていなかった。

講演のあと、質疑応答。参加者の質問に先生方が答える。川口先生の「遠くへ行くために宇宙船がある」という言葉には重みがあった。きっとソーラーセールをやりたいのだろうな。

最後に映画「50 年目の再現 ペンシルロケット水平試射」の上映。昨年夏に幕張で公開された、ペンシルロケット水平試射の再現イベントの記録映画。そして閉会。

こういったイベントに参加するのは初めてだが、噂通り的川先生の司会ぶりが絶妙だった。口調は軽妙であるし、場を和ませる冗談とはいえ「会の進行予定が遅れたのはすべて平林先生のせいです」などと言えるのは宇宙研内でもそうは居まい。さすが、ISAS の広告塔を自負して居られる人の振る舞いは違う。俺としては的川先生が退官された後をつい心配してしまうのだが、はたして後継者はいるのだろうか?

閉会後、はやしのさんとルノアールでお茶。話題は多岐に渡るが諸般の事情により以下略。

楽しゅうございました。来年も行きたいな。


TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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