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一言半句
-Diary-

平成十一年 神無月 -1999 October-


十月一日 Critical state

ここ数ヶ月、原発関連のトラブルを報じるニュースを幾つか聞いていた。 それらについて言葉は悪いが「今年は当たり年か?」などと考えたりも。 そんな不謹慎なことを考えていた罰かも知れない。 『トラブル』 というには大規模すぎる、『事故』と呼ぶべき事態が起こった。

何を指しているか。言わずと知れた東海村での核燃料加工中の臨界事故である。

自分には学生時代に所属した研究室の関係で重工、電力関連に知人がいる。 そう言ったこともあってか、昨日夕方ニュースでこの事を聞いてからというもの気掛かりになって仕方なく、結局今日の朝方までニュース系のwebpageをチェックして事の成り行きを見ていた。

事故の内容についてここでは記述しない。 原子力工学の専門職でもない自分には知識も資料も足りず、虚偽を書く可能性があるし、マスメディアに目を向ければ一件について懇切丁寧な解説を付けた詳細な記事で溢れている。ご親切に誇張や偏見のおまけもつけてくれる。

結果としてウランの臨界状態は抑止することが出来た。かなりの幸運であったにしろ、まずは一安心。さしあたってこれから、事故を起こした機器等を含めた放射性廃棄物の処理、被爆者の治療、現場周辺の綿密な汚染調査、地域住民への身体的、精神的ケア、事故原因の追及等々、やるべき事、解決すべき問題はまだまだ山積みではあるにしろ。

しかし、この事故が単一の事象として今後処理されていったとしたら。恐らく規模の違いはあれど今後も同様な事故は発生し続けると思う。そう考える根拠は、事故原因が『人為的ミス』、と言うことである。

さて、思いのほか長文となってしまったので、自分の考える『人為的ミス』と事故続発の関連性についてはまたの機会に。


十月五日 Critical state (2)

東海村での臨界事故から早数日、臨界状態の停止と周辺地域の放射線に関する汚染が無い事が確認され、警察や関係省庁、マスコミ等が事故原因とその背景を調査し始めた。

が、しかし。調査結果が発表されて行くに連れ、当初誰もが考えもよらなかった事実が芋づる的に出てきている(過去形ではなく、現在進行形)。

今回もその内容は言及しない。詳しくはマスコミへ。その内容のお陰で前回、”またの機会に”と書いた「自分の考える『人為的ミス』と事故続発の関連性」を書く気力がごっそりと削られてしまった。要は呆れている。途中まで書いていた文章はHDDの肥やしに決定。

一つ言えることは、このままでは近いうちにまた、どこかで事故が発生する可能性が高い、と言う事。

ただ、それだけ。


十月十八日 焼き肉

今日の夕食は焼き肉。 近くに住む姉からのおすそ分けで牛の良い肉が手に入ったので、冷凍などしないうちに食べてしまおうという魂胆。

食卓の自分の席に着き、いざ、と思うが取り皿にタレが入っていない。
48「焼き肉には何を付ければ?」
父「好きな物を。」

たしかに脇には焼き肉のタレ数種、各種調味料、カボスまでが並んでいる。
48 「……で、お勧めは?」
父「塩。」
48「……これ、タンで無くてカルビやろ?」
父「良い肉だからその方が美味いだろ。」
48「なるほど。」

親も親なら、子も子。

鉄板に薄く油をひき、軽く煙が出るまで熱し、肉をのせる。 硬くならないようにサッと焙って取り皿へ。 申し訳程度に塩を振って食べると、やはり美味い。十分な肉汁に塩を添えることで旨味と甘味が引き立つらしい。普段、如何にタレの味で肉を食わされているかが良くわかる。かといって、いつもの肉では出来ない芸当。

結局、夕食は箸休めの漬物以外は
肉を焼く→肉を引き上げる→肉汁の残る鉄板に野菜を並べ和えながら焼く→また肉を焼く
の繰り返しで終わる。調味料は肉、野菜とも塩しか使っていないが、満足。(と言えるほど沢山食べられる訳ではないのだけれど)

これで暫くは焼き肉は要らないな、と思う。恐らく幻滅してしまうだろうから。

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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