夜、新宿高層ビル街を独り歩く。
手には Nikor 24mm をマウントした NewFM2。
左肩には交換レンズを含む機材を詰めたカメラバッグ。
右肩には中判カメラを載せることも厭わない 3.8kg の SLIK GrandMaster。
周囲を見上げつつ歩き、はたと思い立っては立ち止まる。
空の一角を睨むこと、数秒。
脳内で視界にフレームを描く。
指で眼前に長方形を組む。
ファインダーで余分な空間を切り捨てる。
その繰返し。
探し物は、調和。
「及第点」を見つけ、荷物を下ろし、撮影準備。
過度のハレーション等が起こらぬよう光源の入り込みに注意しつつフレーミング。
フレーム決定後、露出に一思案。
NewFM2 の SPD・中央部重点測光に夜景での適正露光算出は不可能。
頼みは段階露光と、勘と、運。
基準となる EV 値を決め、あとはただ、レリーズを、切る、切る、切る……。