観覧車
-Ferris Wheel, like a life-


過日、友人達と水族館へ赴く。
大水槽などの規模の大きさ故か、見所の多さ故か。
入館時は高かった筈の陽が、一巡りした頃にはすっかり落ちて。
しかし玄関を出ると、暗いはずの夜空が妙に明るい。
果たして真正面にはライトアップされた大観覧車が立ちはだかる。

昼間は空にとけ込んでしまいそうな大きさ。
夜空では一変、飲み込まれそうな存在感を誇示する。

”被写体”と認識し、ウエストバッグの COOLPIX950 に手を伸ばす。
レンズキャップを外し、ワイドコンバータをねじ込む。
スイッチを M-REC へ、露出モードは絞り優先、マルチパターン測光に一任。
歩道に生える石柱で両腕とカメラを固定し、パラメータを変えつつ数枚。


観覧車と人生には、似たところがある。
誰もが一旦乗り始めたら、一巡りするまで待った無し。
一巡りした後は否応なく降ろされる

そしてどれだけ長く乗れるかより、そこから何を臨めるかに価値がある。
どんなに長く乗る事が出来ても、臨むは一面の荒野では意味はなく。
たとえ短くとも、息を呑むような景色に臨みたい。


後日、撮影画像を CRT で確認、回転している観覧車以外にブレは無し。
露出は撮影者の意図する被写体に対して及第点。素材として使える。
デジタルカメラが銀塩カメラと並び、追い越す事を予感させる。
たとえ今はまだ無理でも、いつかきっと必ず。


大観覧車画像

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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