クラシックカー
-Pure Mechanism-


桜前線の話題が TV News に流れる頃、友人の車で小旅行。
行き先は栃木県茂木。Honda 系列のモータアミューズメントパーク。
お目当ては P3。完全自立二足歩行ロボット。
その稼働実演を観るために。

現地に着くと実演開始予定時刻から随分と時間的余裕。
仕方なく予定時刻まで敷地内をぶらり。
思いの外、風冷たく最寄りの記念館に逃げ入る。

「ホンダ半世紀の歩み」と題された展示は興味深く。
友人と共に順路に従い館内を練り歩く。
一階を観終わり、二階への階段を上がっていく。

上りきったところで、ふと目に入る一台。
その姿は近年のレースカーの様に戦闘的でもなく。
最新型の乗用車のような流面も見当たらず。
しかし、他のどれよりも存在感を発する一台。


学生時代、『機構学』の講義で教鞭を執る講師は昔話が好きだった。
その教授が言った、今も覚えている一言。
「『機構学』的観点での頂点は、蒸気機関車である」

星の数ほどもある機械。
それらも、機構学的分類を極めるとその要素の数は片手で事足りる。
蒸気機関車は、その要素を巧妙に組み合わせた最高傑作だそうだ。
近年の機械はそれより遙かに緻密な動作をする。
しかし、電子制御に依存する「それ」は、機構学的に退化しているらしい。
それを聞いて、いたく納得した記憶がある。


窓から注ぐ、柔らかい日差しに照らされる姿。
それが妙に誇らしく感じられ、カメラを取り出す。
E950 のスゥイベル機構を使い、床面間近にカメラを固定。
そのままアングルとフレーミングを確認。周囲とのバランスも悪くない。
パラメータを確認しつつ、シャッターを切る。


クラシックカー画像

TAGUCHI "SP48K" Nobuaki <mailto: sp48k@t12i.net>
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